简介
安政5年(1858年)、武蔵国榛沢郡血洗島村で養蚕業、藍玉業を営む渋沢家の長男、渋沢栄一と尾高千代の婚礼が行われるところから物語が始まる。血気盛んな栄一は従兄の渋沢喜作と共に攘夷運動に傾倒し、弱体化した幕府に代わる自分たちのための幕府についての夢を語り合う。やがて、栄一は喜作や尾高新五郎、長七郎、平九郎兄弟らと共に江戸の御殿山に建設中の英国公使館の焼き討ちを計画するが、決行当日になり長州藩士に先を越されたうえ、その巻き添えとなり幕府に追われる身となる。 栄一と喜作は旧知の平岡円四郎を頼って京都へと落ち延びると、平岡の勧めで一橋慶喜に仕えることになる。二人は聡明な指導者という評判の慶喜に攘夷の決行および、新しい政治体制の実現に期待をする。一方で、栄一は各藩の対立と抗争により人材が失われていくことに、喜作は攘夷の志からは外れて政争に巻き込まれていくことに...